life/art ‘05

オススメ度::★★★★☆
従来の「美術」でも「工芸」でもない新たなジャンル。その可能性を2001年より問うてきたシリーズ企画展「life/art」(ライフ・スラッシュ・アート)も、今回でいよいよ最終回を迎えます。このシリーズでは、現代日本のアート界において個性的な作品で独自の地位を築いてきた5人の作家、今村源、金沢健一、須田悦弘、田中信行、中村政人の仕事を5年間定点観測してきました。フィナーレとなる今回は、美術と工芸あるいは生活と美術との関わりという「life/art」のメインテーマに対し、各人が自身の考えを順番に表明していくリレー個展を開催しています。
銀座の資生堂ギャラリーで開催されているlife/artの最終週のトリを努める須田悦弘は、このリレー個展という展覧会全体の鍵を握る「隠れた」リーダーでもあります。須田は繊細な木彫の花や枝を用いて空間に独特のアプローチを続ける作家です。今回は、天井高6m近くもあるギャラリーに数点の「椿の花」を配置するだけという、「なさそうであること」をコンセプトとしたインスタレーション。本作が「life/art '05」のフィナーレを飾ります。
展示場は一見、なにもない白い空間。あれ?準備中と勘違いしてしまうほど壁にも床にも装飾すらない。しかしよく見てみると「椿」の花が隠されている。スタッフさんに聞くと「会場内に7つの椿を展示してありますので探してみてください」とのこと。
面白い。宝探しの気分で5つめまでは楽に探せたけれども残りの2つがどこを見渡しても見つからない。会場内にいたお客さんもキョロキョロとしていて皆、心の中で「6つめ、どこでしょうね」なんて思ってるに違いないよ。10分ほどいろんなところを探したらありました、予想外の場所。盲点です。日常に隠されている風景の一部であり、視点を変えてみないと見つけられない場所にありました。
とても刺激的な個展です。好きなアーティストが増えました。
【公式ホームページ】
資生堂ギャラリー