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新ジャンル『ちゃんぽん嬢』

  • Posted by: にんちゃん
  • 2009年2月 3日 21:47
  • 日常

ブルーハーツの『パンクロック』の歌詞の「パンクロック」を「ちゃんぽん」に変えても何にも不思議に思わないくらいちゃんぽんが好きだー!

東京で食べたちゃんぽんで一番好きなお店は「吉宗(よっそう)」という長崎料理屋さんで、名物は有田焼に入っている大盛りの茶碗蒸し。昔は峠の釜飯のようにお茶碗をもらえたんだけど最近はやっていない様子。うちには残り一つのお茶碗を大事にしておりまふ。

このお店、ランチは皿うどんとちゃんぽんがあるんだけれど、ちゃんぽんは水曜と金曜しか出していなくて土日に行ってもありつけないサラリーマンには幻の一品。なっかなか食べるチャンスに恵まれていないけれども(私も一度しか食べられていない)、本っ当にウマス!!!

吉宗さんのホームページ

そんな滅多にありつけないちゃんぽんを擬人化したら少し気が紛れるんじゃないかと思い楽しんでみようと昨日寝る前に考えたら朝の4時まで妄想していて眠れなくなったよ。

今日はそんな脳内をチラっと文字にしてみようと試みる。
読み終わったあとに「もう忍耐道のブログは読まない」と思う人が少しいるような気もする。
 
 
 
 
 
 
 
ある平日の昼下がり、僕は銀座四丁目の交差点を歩いている。
休日でもないのに常に人があふれ、ぶつからないように気を遣う東京にはひどく疲れるけれどそうでもしないとあの人に逢えないのだから恋愛というものはこの世で一番美しい病気だと思う。

中央通りには高級ブランドのショップや老舗の呉服屋、最近はH&Mなどのファストファッションビルが子供の作ったレゴブロックのようにきらきらと詰めあわされて僕の視界に無遠慮に入ってくる。自分でも無意識に歩くスピードが早くなり視界からの情報が処理しきれず軽い眩暈を感じたが走ってしまえば肩で息をしている僕を見て彼女はいつも以上に子ども扱いするんだろうな。ショーウィンドウのガラスに映る自分の顔は少し赤い。

彼女の家の前で大きく深呼吸。息を吐くときにメロディーを乗せて彼女の名前をつぶやく。
「・・・チャンポ子さん」

昭和のにおいがまだ残っている引き戸を開け、家の中に入る。あたたかい、ぬくもりのある家。
この家の電球が陽だまりを集めたものだといわれても疑いはしないだろう。

「あら、いらっしゃい」

奥から少し顔を出して彼女はぶっきらぼうに挨拶をした。まだ寝起きなのか体に小麦粉がたくさんついている。でもとても色が白くて綺麗な麺の体を前に僕は耐え切れずメニューも見ず懇願するように言った。

「・・・なみ・・・ください」

緊張して言葉が震える。いつもこうだ。何度も何度も彼女を味わっているのにあまりにも素晴らしすぎるその存在に僕は赤子同然の振る舞いをしてしまう。

「ん?聞こえないよ・・・ふふふ。とりあえず座ったら?」

赤い頬をして立ちすくんでいる僕をテーブルに促し、お水をテーブルに置きながら顔を覗き込む。
(私をどうしたいの?)そういう目つきだ。

水の冷たさで少し余裕ができた僕はさっきの空腹特有の焦りをなかったことのように「チャンポ子の並ね」と家の壁に貼ってあるアサヒビールのポスターを見ながら彼女なんてただのチャンポンだ、という口ぶりで伝えた。内心はメニューを見て彼女の写真をグリグリと指でこねくりまわしながら触れ合っていない愛撫をしたかったのだが。

「並・・・ね。10分くらいで準備できるから適当に待っていて?」

音も立てずに厨房に行き僕から丸見えの位置でわざと袋を脱ぐ。慣れた手つきでキャベツやエビ、もやし達を熱し白濁としたスープを混ぜ頃合を窺い、そこに浸かる。

僕の鼻先に彼女の成熟した匂いがくすぐる。目の前でおあずけをくらっている状態だから適当に待ってもいられずメニューを裏返したり、テーブルを整えたりして彼女を最高の舞台で受け入れられる準備に勤しむ。

特に箸の準備は重要なファクターだ。
先日、違う家にお邪魔したときに相手の子がお湯からあがりこちらへ来たのに初めての場所だったので箸の場所がわからず、その子が「そこの引き出しに入ってるよ」と言わせしまいかっこ悪いところを見せてしまった。

やはり手軽だからといって他の子と仲良くすると痛い目にあう。もっともチャンポ子さんは僕がどんな子の汁をすすろうが麺をつまもうが関心がないと思うけど。

「おまたせ・・・」

さっきの小麦粉がかかった体も好ましいけれど、海鮮スープにつかって野菜やかまぼこの装飾品を身につけたこの体は本当に魅力的だ。

「いただきます」

声がうわずる。先ほど良い位置に置いておいた箸を丁寧に割り、麺に触ろうとしたそのとき

「まって、あわてないで。最初はスープを飲んでほしいの」

「ご・・ごめん、自分の空腹しか考えないで君のおいしい食べ方を忘れるところだった」

箸をれんげに持ち替え、そっとれんげの背で水面を押す。

ジュワッ・・・

白く濁ったスープがれんげいっぱいに流れ込む。麺をぐいぐいと押しながら野菜の盛ってある場所を避け、純粋にスープだけを入れられるようになったのはここ最近の事だ。

以前の僕はスープよりもまず麺を初めに食べていたし野菜だって何が入ってようがあまり気にしなかった。
それがチャンポ子さんと出逢って「ゆっくりチャンポンを味わってみない?チェーン店とは違うって事、知りたくない?」と囁かれてから、少しずつだけれどもチャンポンについて真面目に向き合い始めた。

そっと口にれんげを当てて手首を動かす。れんげの正面を使うか、横を使うかで色々な意見があるけれど僕は横派だ。

「熱くない?」

少しだけ不安そうに聞く彼女。たとえ舌が火傷したってかまわない。食べログなんかに文句は書かない。

「本当に、おいしいよ」

何度もれんげでスープをすくう。その度にゆれるスープを見ていたら下半身が悲鳴をあげそうなくらいキュウっとなった。


もう空腹の限界だ。


麺が食べたい。


再びれんげを箸に持ち替えた動作でチャンポ子さんも僕がいよいよ麺をすする事に気がつき、控えめに「お上がりください」と湯気を立てながら囁いた。

麺を食べ始めてからは無我夢中ですすった。途中で趣向を変え、一本だけチュルチュルと食べてみたり音を立てずにゆっくり口に入れたり。もちろん麺だけがチャンポ子さんの魅力ではない。長崎チャンポンに使われている紅白かまぼこのコントラストが美しい。

「すごく紅くなってるね、この紅いところだけ食べたらどうなっちゃうの?」

「だ・・だめ!白いところだけになったらイカと間違えられちゃうぅ・・・・」

いい色に茹で上がっているエビもスープを極上にするのに一役買っている。

「こんなに丸まっちゃってどうしたの?よーくみると尻尾が丁寧に取られてるけど自分で処理したの?」

「だって最中に余計な動作は野暮でしょ?」

彼女の下処理の丁寧さが僕は素直に嬉しい。けれど同時に僕だけのためではない事にもやりきれない気持ちになる。
そんな嫉妬心からか意地悪な事を思いついた。

「ねぇ、今日は最後まで見たいんだけどいいよね?」

チャンポ子さんは僕がした予想外・・・というよりは僕らしくない提案に驚き、箸に絡み付いていた麺がポチャ・・ンポーンと器に落ちた。

「いつもと違うのね、どうしたの?」

「別にたいしたことじゃないよ。ただ、これだけ味わっているのに一度も見たことがないのは男としてもメンツがあるからね」

「そういう謙虚なところがあなたのいい所でもあるのに」

最中だというのにこれだけ会話ができるのも僕に(今日は食べきるぞ)というゆるぎない決意があるからだろうか、それとも二人の距離が縮んだのか。はたまた麺がのびてきたからなのか。

おしゃべりをしていたせいか若干、味にマンネリさが加わってきた。しかし今日は最後まで・・・・

ふとテーブルの上にあるモノが視界に入る。
これを使えば刺激的な味になるだろう。でも彼女は嫌がらないだろうか--。

硬く、そして光るそのモノを握り
「これ、入れていい?誤解しないようにして欲しいのは決してそのままの君に物足りなくなったわけではないんだ、でもこういう事にスパイスは必要だと・・・」

「なんだか言い訳っぽいわ。私はかまわないのに。あなたの好きなようにして?」
海鮮スープまみれの麺で僕を見つめる。いや、スープというよりは汁に近くなってきたのを確認し、確信した。"最後が近い"と。


握り締めた胡椒をやさしくふりかける。
スパイシーな匂いが僕を誘い、さっきまで満腹に近かった僕のお腹にスペースができ始めたのを感じる。まったく現金な下半身だ。

ズルッズルッ

ムシャムシャ

ゴクゴク

一定のリズムで器の中での三角食べを再開する。

「あ、もう・・・」 僕は目の前に迫った最後を彼女に伝えた。

「やっぱり恥ずかしいよ、見ないで!ソコは見ちゃだめ・・・!!」
「もう止まらないよ、今日は底を見るんだ、全部見せて!?」
「どんぶりの底はらめぇ~~~~」

僕の体なのに僕の意思とは別のベクトルで彼女の器の両側をしっかりと手で持ち上げ右の親指でれんげを押さえながら、いっきに飲み干す。喉が嚥下によりピクピクと上下運動をする。

ほぼ同時に彼女の汁もなくなり、つやつやとした器の底が露になった。

食べきった達成感と初めて見る器の底の興奮で僕は食べ終えたばかりだというのに口を拭くのも、水を飲むことも忘れ「チャンポ子さんのソコ、つるっつるなんだねっ」と食後らしからぬゆとりのない事を言ってしまった。

汁がなくなったというのに湯気がまだ出ている彼女は器のヘリにのこっている胡椒を処理しながらメニューをチラリと見てポツリとつぶやいた。

「うちの名物は、茶碗蒸しだから・・・ね、他の家みたいにマークは入っていないんだ」

胡椒を綺麗に取り終えいったんどこかへ行き、再び僕の目の前に現れたその体は伝票に変わっていた。だいぶ落ち着いたのか、とてもシンプルな白い紙に黒い字で960円、と書いてあるのが裏からでもわかる。

「さっきの話だけど・・・」

そそくさとお金を準備していた僕に、柔らかな紙で擦り寄りながらしゃべり始めた。

「うちはお父さんが茶碗蒸し、お母さんが蒸し寿司でしょ?いつもお客さんは夫婦蒸しばかり頼んでいくわ。」

たしかに僕がチャンポ子さんと出逢ったきっかけも、僕の両親が銀座に行くとたまにこの家に連れてきてくれたからだ。もっとも、その時はまだ彼女の事は知らず両親も他の客と同様の"茶碗蒸し+蒸し寿司"の夫婦蒸しを頼んでいた。

僕もここのお父さんである茶碗蒸しは大好きである(同性愛といわれても困るが。)
お母さんの方は加齢臭に近い酢飯の匂いが好きになれず、ほどほどの距離感を保っている。

大人になり、自分のお金で行動できるようになりしばらくぶりにこの家にお邪魔したときだ。
お父さんから「知ってか知らずかわからないが、うちには子供が二人いるんだ」と聞かされた時にはとても驚いた。

長男で皿うどんのサラオ、長女でちゃんぽんのチャンポ子。

中でもチャンポ子さんはなかなか出不精で水曜日と金曜日の11:30~15:00の間しか会えないという箱入り娘らしい。その代わりに他の日はサラオがお昼に精を出しているようで、美しい家族の風景だと思ったものだ。


かといっても、それまでまともにチャンポンと付き合ったことのない僕は半分聞き流していたが、ある時期にリンガー帽子というのをかぶっている(どこにでもあり、だれにでもすぐ食べさせてくれる)ビッチなチャンポンにひっかかり(所詮チャンポンなんてラーメン以下じゃねぇか)とこりごりさせられていた時にこの事を思い出して銀座に向かったのがチャンポ子さんとの出逢いだ。


僕が一番苦しいのは、彼女もまたリンガー帽子まではいかないけれど他の男に汁をすすられ、麺をほぐされ、キャベツの芯をコリコリさせられる事ではない。水曜日と金曜日の昼間にしか逢えないことだ。
一般的な仕事につき、一般的な時間で働いている身分なので運がよければ半年に一度・・・というところ。

今年はまだ彼女を食べていない。
しかしこの一週間で他のチャンポンを二回も食べてしまった。他の子もまた魅力的だ。
いつか、きっといつかご両親を説得して彼女の育ちを教えてもらいたい。
 
 
 
 
  /\___/\
/ ⌒   ⌒ ::\
| (●), 、 (●)  ::|
|  ,,ノ(、_, )ヽ、,:::| <妄想が気持ち悪いんだよ忍耐道は!
|   ト‐=‐ァ'   ::|
\  `ニニ´  .::/
/`ー‐--‐‐一''´\

Comments:12

ムー 2009年2月 3日 22:18

愛すべき馬鹿野郎だw
これからちゃんぽんを食べるときにこの小説が脳裏によぎらないようにしたいわ~www

サトル 2009年2月 4日 07:02

れんげの正しい持ち方の描写はー?
あれはエロスなんだけれどな。
チャンポ子さんの身体ではないのかしら。

野菜クズではない方のヤツ 2009年2月 4日 09:03

(待ってる間に)

高菜…食べてしまったんですか…?★

にんたいどー 2009年2月 4日 14:22

>ムー
馬鹿は最高の褒め言葉だってばっちゃが言ってた☆

>サトルくん
正式名称:散蓮華
先が丸く、また尾となる部分が先細に伸びている・・・・ゴクリッ!
人差し指を溝の中に入れ、柄の部分を親指と中指ではさむように・・・ゴクリッ!!

>おまんらは野菜のクズだ!
海原氏がアップを始めたようです☆

ウー 2009年2月 5日 13:40

www
ちゃんぽんなのかちゃんぽ子なのか分からなくなってきたw
てゆうかちゃんぽんて何!?ww
分からなくなってきた。。。

ウー 2009年2月 5日 13:42

www
ちゃんぽんなのかちゃんぽ子なのか分からなくなってきたw
てゆうかちゃんぽんて何!?ww
分からなくなってきた。。。

にんたいどー 2009年2月 5日 16:24

>ウー
お ち つ け !!!!!!!
ちゃんぽんとは・・・・都市伝説ではラーメンに似てるが味は全く似ていない幻の麺らしいよ?
その形状を見たものは三日以内に・・・・おっと誰かきたようだ。

リロ&スティッチ 2009年2月 5日 20:40

久々ににんちゃんのブログを見たけど・・・相変わらず天才だね!!
ここまで長崎ちゃんぽんネタで文章をかける にんちゃんって凄いと思う!!!!

吉宗って初めて聞いたけど、銀座にあるんあだね☆メニュー見たら,よだれがでそう^^
さすが都会には名店が多い~^^

ウー 2009年2月 5日 22:47

先ほどは興奮して取り乱してしまってスマヌ。
オレちゃんぽん食べた事あるぜ!!
働いてた漫喫にあった!!
吉宗さんとこのちゃんぽ子ちゃん一目惚れ覚悟で是非お会いしたい。

にんたいどー 2009年2月 6日 10:48

>リロママ
改めて、おめでとうー!!
ほそっこいその体の印象しかないからママンになるなんて未だ想像できないわ。
妄想は得意なのにww

吉宗の向いには博品館というおもちゃ屋デパートみたいなのがあるから
来年の今頃はそこで買い物してるかもよ~?リロさん!

>ウー
漫画喫茶にちゃんぽんだと!?なにその品揃えwww
でもね、ちゃんぽんを極めると結局シーフードヌードルが一番おいしいと感じるようになるのだよ。

東京に来る機会があったらちゃんぽん漬けにしてやんよ★

ヘルやしき 2009年2月19日 19:44

ふふ…並のチャンポコね…(と言いつつ指で弾くエロおねいさん)

…っていうシーンが浮かんだ!よ!

僕もチャンポコを食べたくなりまんた(^p^)

にんぽこ 2009年2月20日 16:29

>むじく
ち○んぽこって伏せ字にしたらある意味伏せる意味ない感じだよね!(キャピッ☆)
だれか絵師さんいないかちら。。。モクモク・・・

・・・ふぅ

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